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MBTコンソーシアム
設立趣意書(2016年4月)

  • 01
    はじめに

    超高齢社会を乗り切り、産業創生、地方創生を果たすべく、医学を基礎とするまちづくりのためのコンソーシアムを設立します。以下の内容をご確認いただき、ご参加の程よろしくお願い申し上げます。

  • 02
    超高齢社会と産業創生に向けた「医学を基礎とするまちづくり」

    Medicine-Based Town, MBT

    MBT(Medicine-Based Town, 医学を基礎とするまちづくり)とは、「住居医学」と「MBE」(Medicine-Based Engineering, 医学を基礎とする工学・産業)の体系の統合であり、超高齢社会に対応したまちづくりを行うと共に、新産業創生と、地方創生を行うことを目的としています。

    高齢化が進めば、健康を維持するためや、病気を治すために「医学」の重要性はさらに大きくなります。また、工業製品の80%は直接、人に影響するため、医学的関与や評価が必要となる場面は今後格段に増えると予想されます。したがって、20世紀は工学を中心とした産業が支えていましたが、21世紀は医学を中心とした産業が社会やまちづくりを牽引することになります。 例えば、地域包括ケアシステムの実現のためには、「病院医療から在宅医療・介護の推進」、「住宅の高度化・効率化」や、「かつて家族・親類が担っていた福祉や介護などの役割を地域社会(コミュニティ)やICT技術により補完すること」などが求められています。

    この奈良医大MBTにおいて得られた知見、ノウハウは、奈良医大周辺の場にとどまらず、全国の医科大学や病院が核となって、全国的に活用できるものです。奈良医大MBT構想については、2014年に内閣府地域活性化モデルケースに採択され、2015年には奈良県と橿原市、橿原市と奈良医大が連携協定を締結し、地域再生計画も認定されました。2021年の大学の一部機能移転を契機に、敷地内および近接地の再開発や、近接する今井町(重要伝統的建造物群保存地区)をはじめとした地域との連携などが段階的に整備されてく予定で、MBTにおいては、こうした地域を実証のフィールドとして活用することができます。 MBTコンソーシアム研究会(以下、研究会)は、医師、医学者による医学的知識の供与や示唆を活用して、異業種による多様なアイディア創出を行います。 医師は患者に対し一対一で対応していますが、医師・医学者の持つ知識は膨大で、この医学的知識を新しいコンセプトのまちづくりを通して、新しい製品開発をはじめ産業そのものの創生に生かします。

    研究会では、上記活動を行うためのフィールドを用意します。参加企業は、活動主体の一員となることで、「企業間が連携する機会」と「実証のフィールド」「医師の医学的知識供与・示唆」が得られ、地方創生に寄与しながら、超高齢社会に即した自らのビジネスを展開していくことが可能となります。

  • 03
    MBTコンソーシアム研究会のコンセプト

    「医学」を基礎として、「都市計画」「建築環境」「情報工学(ICT)」などを融合し、さまざまなデータを蓄積し、医学的エビデンスの付与による価値ある情報と新製品の創造ならびに活用をめざします。
    「地域包括ケア」「健康維持・増進」「日常生活支援」を核として、「ハード」「ソフト」「運営」を一体化したしくみをつくります。
    国民の「疾病予防」と「健康寿命の延伸」ならびに「医療介護費の削減」に寄与するまちづくりを実践します。
    参画企業は、研究会が用意するフィールドの中で、自由闊達な企業活動を展開することで、「医学」「医療」を基礎とした異分野連携による新産業を創生します。
    基本的には、奈良医大周辺をフィールドとしますが、新分野創生の目的に応じて、奈良県、大阪府を中心に展開する奈良医大関連の病院、ならびに関西、全国の病院とも連携を図り、そのフィールドを広げます。

  • 04
    おわりに

    上記の目的を達成するため、医療・介護・見守り・交通・製薬・生活支援・エネルギー・セルフメディケーションなどを高度に連携させる「MBTコンソーシアム研究会」を設立します。 まずは、奈良県橿原市において実践し、汎用性のあるモデルを構築します。さらには、全国のみならず、今後急速な高齢化が進む諸外国にも展開していくことを目標とします。